自転車通勤の話になると、たぶん東京は日本中で一番“向いてない街”ってことになるのでは。あ、自宅の最寄り駅に自転車を預けるんじゃなくて、会社周辺まで直接走るいわゆる「ダイレクト通勤」の話です。労災や交通費の問題は全国共通だけど、都心で社員向けに駐輪場やシャワーや更衣室のある会社なんて皆無でしょうね。“痛勤”も運動不足も解消できるし、エコロジーにも貢献するし…メリットは多いはずなんですが。
最近、ちょっと面白い取り組みをしている人たちの話を聞きました。まずはランナーズステーションプラスバイクKOJIMACHI(東京都千代田区)。ここでは駐輪場のレンタルをやってます。
自転車を止めたら、貸しロッカーからスーツを取り出してシャワー室へ。汗を流し、ネクタイを締めて出勤…というのが、ランステで毎朝見られる風景。じつにうらやましい。
ランステはもともと皇居ランナー向けの施設として開業したそうですが、今年の2月から駐輪場とロッカーを利用できるバイク会員を月額2万3000円で募集。約20台の月極利用分はすぐに満車になって、いまは空き待ちの状態が続いているとか。ま、料金を考えれば想像がつくと思いますが、駐輪場には高級ロードバイクがずらり。

「すいませーん」と自転車を乗りつける利用者の方々を待ちかまえて直撃してみると、通勤距離は10~20kmってとこ。
「盗難に遭う心配がないのが一番」(from世田谷区)
「電車より高くつくけど、趣味だと割り切ってる」(from大田区)
「通勤時間を有効に使いたい。朝が気持ちよく過ごせるのがうれしい」(from埼玉県草加市!)
乗りたいんですよねぇ、平日にも。その気持ち、すごくわかります。
専務の浅川美幸さんにもお話を聞きました。
「ニーズは高まっているのに、都心の会社にはシャワーもロッカールームも自転車置き場もないのが現状ですよね」。おっしゃる通りです。どんどん拠点を広げてほしいところですが、需要の高い都心では、地代が高くてなかなか事業として成り立たないそうです。「私たちだけで事態を解消できるはずもないですが、こういう考え方もあるよね、というのを示したいですね」。パチパチ。
もうひとつは「BIKE to WORK」(自転車で通勤)という運動をしているNPO法人バイシクルエコロジージャパン(BEJ、東京都練馬区)。毎月1回、表参道の明治通りに「バイカーズオアシス」を設置して、自転車で通勤中の人に飲み物やバナナを提供するという地道な活動を展開中。
代表理事の杉浦邦俊さんは「駐輪場の確保や労災の問題など課題は多いですよね。ただ、そういうことをクリアしてから、と考えると前に進めない。山積した課題に目をつぶるわけではないし、いずれモデルケースのようなものをと思いますが、まずはシンプルに、自転車通勤をする人を応援しています」とのこと。こちらにも拍手。そうなんですよね。やらなきゃなにもはじまらない。
バイカーズオアシスは、秋田、金沢、名古屋、高松、福岡でも定期的に開催中。また9月16日には「1億3000万㌔の自転車通勤日」というイベントを予定しています。

by fixie
目白坂